「心理カウンセラーには色々な資格があるけど、絶対に必要なの?」
「心理カウンセラーになるために取っておいた方がいい資格を知りたい!」
このような人のために、本記事では以下のような内容を紹介しています。
本記事の内容
- 心理カウンセラーとは
- 心理カウンセラーに資格は必要か
- 心理カウンセラーにおすすめの資格
心理カウンセラーに興味を持っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
心理カウンセラーとは?
心理カウンセラーとは、心理学とカウンセリング技術を使って相談者の悩みや苦しみを改善する人にことを指します。
相談者から話を聞き、具体的なアドバイスや心理療法を使って、心のサポートをすることが心理カウンセラーの仕事です。
最終的には、相談者を心身ともに健康な状態に戻すことが心理カウンセラーの役目となっています。
心理カウンセラーの仕事内容とは
心理カウンセラーの仕事内容は、基本的に相談者の悩みや苦しみを改善することです。
しかし、職業によって心理カウンセラーの仕事内容が違ってきます。
では、心理カウンセラーの仕事内容を職業別で紹介していきます
児童相談所での業務内容
児童相談所では、子どもへのカウンセリングが主な仕事です。
その他にも、育児などに悩みを持つ保護者の相談も仕事に含まれます。
児童相談所の心理カウンセラーは「児童心理司」と呼ばれています。
ちなみに、児童心理司は公務員職なので、なるためには公務員採用試験で合格しなければなりません。
学校での業務内容
学校では、生徒の相談相手になって悩みを改善するのが主な仕事です。
ときには、保護者や教師へのカウンセリングが必要なこともあります。
学校の心理カウンセラーは「スクールカウンセラー」と呼ばれることが多いです。
病院での業務内容
病院では、患者と家族の不安や精神的な苦しみを改善するようサポートすることが主な仕事です。
他にも、心理検査や心理療法を行うときもあります。
精神科や心療内科・小児科など、様々な場所で働いています。
一般企業での業務内容
一般企業では、人間関係や仕事関係といったストレスを抱えた社員の相談に乗ることが主な仕事です。
他にも、定期的にストレスチェックをして、結果に応じてカウンセリングも行います。
また、企業によってはメンタルやストレスに関する講義をすることもあります。
心理カウンセラーの活躍の場は保有資格で異なる
心理カウンセラーの活躍の場は、保有している資格によって異なります。
なぜなら、職業や相談者の年齢層によって、カウンセリング方法が変わってくるからです。
例えば学校の心理カウンセラーとして働きたい場合。
学校は子どもへのカウンセリングが主な仕事なので、チャイルドカウンセラーなどの子ども関係の資格を保有している人が多く活躍しています。
心理カウンセラーの資格は、公認心理師や臨床心理士・産業カウンセラーなど様々な種類があるので、なりたい職業に合った資格を取りましょう。
民間資格と国家資格では信頼性が大きく異なる
心理カウンセラーの資格は、大きく分けて「民間資格」と「国家資格」の2種類の分類され、信頼性が大きく異なります。
- 民間資格→「認定心理士、臨床心理士など」
- 国家資格→「公認心理師」
国家資格は国が認めた証でもあるので、信頼性がかなり高いですが、そのぶん取得するまでには長い時間とお金が必要になります。一方の民間資格は国家資格ほどの信頼性はありませんが、比較的短時間で取得できるものが多いです。
心理カウンセラーになるために資格は必要ない
「心理カウンセラーになるために資格が必要だ!」と思う人が多いと思いますが、じつは心理カウンセラーになるだけであれば資格は必要ありません。
ただ、心理カウンセラーの資格を取ると様々なメリットがあり、実務的なレベルアップにもつながるので、多くの心理カウンセラーが資格を取得しているのです。
心理カウンセラーの資格を取得するメリット
心理カウンセラーの資格を取得するメリットは、主に以下の3つです。
- 的確なカウンセリングができるようになる
- 相談者や職場からの信頼性が高くなる
- 待遇の良い職場に就職しやすくなる
資格を取得する大きなメリットは「心理カウンセラーとして働きやすい環境を手に入れられる」ということ。
いっぽうで、資格を保有していないと相談者や会社から信頼されず、心理カウンセラーとして働くことが難しくなるのです。
心理カウンセラーを目指している人は、時間やお金といった問題をひとつずつクリアしながら、心理カウンセラーの国家資格を取ることをおすすめします。
心理カウンセラーを目指す目的によって資格を選ぶ
先ほど紹介したように、心理カウンセラーの資格は、民間団体が認定する「民間資格」と、国が定めた「国家資格」の2種類に分けられます。
自分が目指す心理カウンセラーとしての在り方に合わせて、目指す資格を選ぶことが大切です。
なので、心理カウンセラーを目指すのであれば、まずはどちらの資格を取得するのか決めましょう。
なりたい職業が決まっている人は民間の心理カウンセラー資格がおすすめ
「この分野で心理カウンセラーになりたい!」というように働きたい分野が明確な方は、民間資格の取得をおすすめします。特定の職業に特化した民間資格が発行されているので、望んでいる分野へ進みやすくなるでしょう。
また、民間資格には様々な種類があり、難関の心理系資格に比べて短時間で取得できます。
取得した資格は面接時のアピールポイントとして活用できるので、なりたい職業が決まっている人にはピッタリです。
安定した収入を得たい方は国家資格の公認心理師がおすすめ
「多くの人を救える心理カウンセラーになりたい!」「心理系のプロフェッショナルになりたい!」という方には、国家資格である公認心理師の取得をおすすめします。
国家資格である公認心理師を保有していると、信頼性が担保されやすく、常勤の職場に就職できる可能性が高くなるからです。心理系の職種で常勤の職場を見つけるのは難しく、高倍率の選考をくぐりぬけなければなりません。それでも、公認心理師を取得して実績を積んでいけば、常勤の職場で働きやすくなり、安定した収入を得られます。
心理カウンセラーの民間資格を仕事別に紹介
ここからは、心理カウンセラーの民間資格を仕事別に紹介しています。
なりたい職業に合わせて、取得すべきおすすめ資格について確認しておきましょう。
メンタルケアの仕事なら「メンタル心理カウンセラー」
メンタル心理カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定している民間資格です。
この資格を取得できれば、心理カウンセラーに必要な知識を持っていることを証明できます。
主にメンタル関係のことを学べるので、病院や学校といった職場でメンタルケアの仕事をしたい場合におすすめの資格となっています。
情報 | ||
取得場所 | 通信講座 | |
費用(税込) | 一括 | 28,600円 |
分割(24回払い) | 1,380円 | |
受験料 | 5,600円 | |
学習時間 | 2ヵ月(1時間/1日) | |
難易度 | ★☆☆☆☆ | |
受験資格 | 全カリキュラムを修了した人 | |
試験内容 | 筆記テスト |
>>メンタル心理カウンセラーの資格を取得したい人はこちらから
人に寄り添う仕事なら「メンタルケアカウンセラー」
メンタルケアカウンセラーとは、「メンタルケア学術学会・一般財団法人生涯学習開発財団・一般財団法人ヘルスケア産業推進財団」の3団体が認定している民間資格です。
メンタルケアに関する基礎知識を学べ、カウンセリング技術を証明できる資格となっています。
児童相談所や学校といった人に寄り添う仕事がしたい人は、メンタルケアカウンセラーを取得しましょう。
メンタルケアカウンセラーは、特定の講座の課題をクリアするだけで取得できます。
情報 | ||
取得場所 | 通信講座 | |
費用(税込) | 一括 | 39,000円 |
分割(12回払い) | 初回3,417円、2回目以降3,400円 | |
申請料 | 5,100円 | |
学習時間 | 3ヵ月 | |
難易度 | ★★☆☆☆ | |
受験資格 | 通信教育講座に付属する通信添削の課題(全4回)を一定の成績で修了すること | |
試験内容 | ー | |
試験日 |
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>>メンタルケアカウンセラーの資格を取得したい人はこちらから
子どもを相手にする仕事なら「チャイルドカウンセラー」
チャイルドカウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定している民間資格です。
子どもの悩みを改善できるカウンセリング技術などを学べます。
児童相談所や学校・保育園といった子どもを相手にする仕事をしたい人は、チャイルドカウンセラーの取得をおすすめします。
情報 | ||
取得場所 | 通信講座 | |
費用(税込) | 一括 | 49,600円 |
分割(24回払い) | 2,390円 | |
受験料 | 5,600円 | |
学習時間 | 4ヵ月 | |
難易度 | ★☆☆☆☆ | |
受験資格 | 講座の全カリキュラムを修了した人 | |
試験内容 | 筆記テスト |
キャリア関係の仕事なら「産業カウンセラー」
産業カウンセラーとは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定している民間資格です。
相談者のストレスや悩みを聞いて改善するスキル「傾聴」や、カウンセリングスキルを学べます。
新入社員やシニア社員をサポートする産業カウンセラーの他にも、キャリア形成のサポートをする「キャリア・コンサルタント」の資格もあります。
会社などのキャリア関係の職場で働きた人は、産業カウンセラーの取得をおすすめします。
情報 | ||
取得場所 | 通学、通信講座 | |
費用(税込) | 297,000円 | |
学習時間 | 10ヵ月 or 6ヵ月 | |
難易度 | ★★★★☆ | |
受験資格 | 101時間以上の出席、テストで6割以上の正答率、課題学習で一定以上の評価 | |
試験内容 | 講座内の体験学習 | |
試験日 | 学科試験 |
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実技試験 |
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心理カウンセラーの国家資格を紹介
ここでは、心理カウンセラーの国家資格を紹介しています。
公認心理師
公認心理師は、心理関連のなかでは唯一の国家資格です。
公認心理師を取得すれば、カウンセリングや教育・セミナーなど、専門家として幅広い分野の仕事ができます。
取得難易度はかなり高いですが、そのぶん、社会的にも高い信頼性が担保されています。
心理カウンセラーとして胸を張って働きたい人は、公認心理師の資格取得を目指しましょう。
情報 | ||
取得手順 |
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費用(税込) | 総額 | 約100万円~500万円 |
受験料 | 28,700円 | |
登録料 | 7,200円 | |
学習時間 | 4年~6年 | |
難易度 | ★★★★★ | |
試験内容 | マークシート方式 | |
試験日 | 2020年12月20日 |
参考:公認心理師│厚生労働省
臨床心理士
臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定している民間資格です。
国家資格ではないものの、実質的に心理系資格のなかではトップクラスの受験難易度を誇っており、後発の公認心理師と同等の能力や認知度、信頼性があると考えられます。
公認心理師との兼ね合いもあり、臨床心理士という資格がどのような位置づけになるのかは不透明ですが、心理系の民間資格のなかでもっとも権威性・信頼性が高い資格です。
公的機関やメンタルクリニック等で心理職に就きたい方は、臨床心理士や公認心理師といった資格の取得を目指しましょう。
情報 | ||
取得方法 |
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費用(税込) | 総額 | 約60万円~300万円 |
受験料 |
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登録料 | 50,000円 | |
学習時間 | 3年~7年 | |
難易度 | ★★★★★ | |
試験内容 | 100題のマークシート、面接 |
まとめ
今回は、心理カウンセラーになるための資格について紹介しました。
本記事の内容を、ここでおさらいしましょう。
- 心理カウンセラーは相談者の悩みや苦しみを改善する職業
- 資格がなくても名乗れるがプロとして始めるのであれば資格を取るのが◎
- 取りやすいのは民間の心理カウンセラー資格
- 知名度・実力ともに信頼性が高いのは国家資格の公認心理師
本記事の内容を参考にしながら心理系の資格を取得して、なりたい心理カウンセラーを目指しましょう。
執筆者:ゆりかご
間違っている箇所を見つけてしまったので、ご指摘させていただきます。
臨床心理士は基本的に大学院を出ないと受験資格が得られません。
また、公認心理師への移行措置は臨床心理士資格の有無は関係ありません。5年間の移行措置(来年が5年目)は心理業務を行ってきた人に対してであり、臨床心理士に限りません。
公認心理師の名称が公認心理「士」となっている箇所が複数あります。
名称独占の都合上、重要な点なのでお気をつけください。
ありがたいご指摘をいただき、とてもうれしいです。
チェックが漏れていた箇所が多々ありお恥ずかしい限りですが、先ほど修正させていただきました。
これからは、誤った情報を記載してしまうことがないよう、より一層の責任感を持って運営に努めてまいります。
何卒、今後ともご愛読をいただきますようよろしくお願いいたします。
小野澤