お坊さんに相談できるSNS│悩みに寄り添うアプリ「Sion」の開発者にお話を聞いてみた

2020年12月、慌ただしい年末の空気感が街を満たすなか、小さな会社から、大きな希望を乗せた1つのサービスがリリースされました。

「Sion」は、日常の小さな悩みから、誰にも話せない内容まで幅広い感情を投稿できるSNSアプリ。けれど、よくあるSNSとは一味違います。

株式会社くうるが開発した「Sion」は、悩み解決の専門家であるお坊さんから返事が返ってくる、異色の匿名SNSです。

Sionイメージ画像

今回は、「Sion」開発の背景や会社の理念について、代表の武智さんにお話を伺いました。

くうるを立ち上げたきっかけ

COOLに空を売る。真剣な想いと適度な冗談で動けば、きっと世界はもっとステキになる。株式会社くうるのWebサイトを訪れれば、惹きつけられるキャッチフレーズとともに2つの事業が目に留まります。

新しくリリースされたSNSアプリSionと、飲食店のテイクアウト情報を提供する「まちアプリ」などが組み込まれているTHIN.RUN。いずれも”人や暮らしに寄り添う”という理念を感じさせる、やさしいサービスであるように思えます。

なぜこうした企業を立ち上げられたのでしょうか?

小野澤

武智さん

もともとは、大切な人が死にたいと思ったときに力になれるようなサービスを作りたい、と思って株式会社くうるを立ち上げました。近年は”強くあること”が重視されているように感じて、強者ばかりのなかでさらに強くなろうとする人が多いと思うんです。

武智さん

ぼくはそうは思っていなくて、弱いままでいい、弱さを吐き出したり向き合ったりすることが大切なんじゃないか、と考えています
くうるビジョン

くうるのビジョンにも同様の想いが

ミッションの「変毒為薬」とは

ミッションとして掲げている「変毒為薬」も、そういった観点で生まれたものなのでしょうか?

小野澤

武智さん

変毒為薬は仏教用語で、毒を変じて薬と為すと読みます。ぼくたちがこのミッションを掲げているのは、世の中にある毒を集めて、ぼくらがその毒を調べて、薬(サービスやエコシステム)を提供することで、すこしずつでも世の中が明るくなっていくことを願ってのことです

武智さん

それでいえば、Sionは”毒を集める”という役割を持った事業だと捉えられますね。Sionに集まった毒を薬に転用して、世の中へ還元していけたら、と思っています

くうるアイキャッチ

「へんどくいやく」と読みます

Sionに込めた想いとは

今回リリースされたSionにこめた想いや理念を伺ってもよろしいでしょうか?

小野澤

武智さん

Sionは、日常の中で少し疲れてしまったり、小さく悩んだりした時に気軽に使ってほしいと思っています。軽いストレスをちょっとずつ抜いて、貯めこまないようにする、という感覚ですね

そのためにも「お坊さん」という立ち位置は非常に面白く、ぴったりであるように感じました。なにかお坊さんに着目した理由などはあるんでしょうか?

小野澤

武智さん

昔は、町にあるお寺がお悩み相談を行っていたり、弱さを吐き出す場所として機能していたりしましたが、近年のお寺にはそういった機能がないように思うんです

武智さん

お坊さんは、檀家さんがなくなった時だけじゃなく、日常の中でもっと人々の助けになれる存在だと感じていて。一方のお坊さんたちも、最近は人の苦悩の解消に手を貸してあげる、という経験をしていないと思います

武智さん

その感覚を忘れてしまっているというか、そうした風潮があるように感じて、そこをつなぐサービスは面白いんじゃないか、と考えていました

ユーザーには悩みの吐き出し場所を、お坊さんには悩みの解消を手助けする機会を与えたかった、という感覚ですか

小野澤

武智さん

Sionを通して、お坊さんたちにも、本来の役割を思い出してほしいと思っています。仏教界を変えていけるんじゃないか、という気持ちで、パートナーとなるお坊さんとは関わっていますね

株式会社くうるの展望について

くうるが見据える今後の未来や展望をお聞かせください!

小野澤

武智さん

今後は、Sionで獲得した”毒”をベースに、薬となるような事業を組み立てていきたいと考えていますね。そのためにも、Sionをもっとより良いサービスにしていけるよう、尽力していきます

リリース直後にYahoo!ニュースで取り上げられたことも幸いし、ノーコードで開発されたSNSのなかでは世界最大の会員数を誇るSion。これからますますお坊さんやユーザーを巻き込んで、私たちの毎日から、少しずつ毒を巻き取ってくれることを期待しましょう。

登録や利用は無料、完全匿名性で悩みを吐き出せるSion。この機会にぜひ触ってみてはいかがでしょうか。

Sionを使ってみる

株式会社くうる代表取締役 武智 勝哉さん

画像株式会社くうる代表取締役。地方SIer→独立系コンサルファーム→フリーランスを経て、2019年2月に会社を設立。
「変毒為薬」を掲げ、「人々が感じる不安や悩み(毒)を知り、その予防や解決のためのサービス(薬)を創ること」をミッションとしている。
コロナ禍で心的ストレスも増大し、著名人の悲しいニュースも増えている背景から開発に着手した、あなたのためのお坊さんアプリ「Sion(しおん)」を2020年12月にリリース。

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